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研修医のある1日

病理診断科

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学生時代にイメージがしづらく、勉強をしていてもわかったような、わからないような。しかし臨床に出てからその大切さを知り、いまさらながらかつての授業をもう一度受けてみたいと感じる瞬間は、研修医として仕事をしていると少なくない。病理診断科もその代表的な診療科の1つであろう。身体所見と病名が一対一対応の国家試験とは違い、実臨床では病理診断の結果がでるまで治療方針が定まらないことも多い。術中迅速診断によっては術式も大きく変わる。そんな経験を1年間経験すると、いやがおうにも自分の病理学の知識レベルの低さを実感する。自分の興味のある診療科のレポートを見ても何が書いてあるのか理解ができないのだから、ほかの知識に比べて圧倒的に“足りない”のである。そんな危機意識の中、2年次で病理診断学を選択させていただいた。

病理診断科の1日は検体の切り出しから始まる。指導医の先生と技師さんの連携作業を邪魔しないように気を付けながら、切り分けのポイントや検体の問題点を教えてもらう。時には切り出しを手伝わせていただくこともある。

剖検の依頼があった日には先生と技師さんの病理解剖の見学をさせてもらい、どこに着目するか、や特異な所見を教えていただける。希望とタイミングが合えば看護生向けの授業に助手として同行させていただくこともできる。

new_byouri2.jpg他の時間は実際に組織診断をしていく。といっても、上述のように知識の少なさは明らかなので最初は教科書と照らし合わせながらである。基本的に自分の興味のある検体を選んでじっくり観ていく。指導医の先生方への質問などは随時受け付けてくれ、アドバイスをもらいながら自分なりの所見をあぶり出し、最後に添削してもらうなり、正解と照らし合わせればようやく一つの検体が終了となる。

読む量が増えてくると次第に読む順番やポイントがわかってくる、気がする。最終週にはプレゼンテーションも控えているため、その準備も同時並行で進めていく。

 

初期研修が終われば、このようにじっくり病理学について学ぶ機会もなかったであろう。しかし臨床にいれば関わらないわけにはいかない分野でもある。せめて自分の専攻分野くらいは、とプレパラートと向き合う日々である。