笑ったら、モレてしまう……。その瞬間たるもの、ショックです。「尿失禁」を経験したことがある女性は、なんと30歳以上の3人に一人。お母さんも友達も経験しているかもしれないけれど、誰からも聞いたことがない、、、、人知れず悩むあなたにお教えします。
女性に多い「尿失禁」皆さんはくしゃみをしたり、激しく咳込んだりした時にちょっとだけおしっこがもれたことはないですか。このように、おなかに力が入ったとき尿がもれてしまう状態を、「腹圧性尿失禁」といいます。40歳以上の女性の3〜4人に1人が経験ありと言われるほどです。
妊娠後期やお産の後は、多くの人が一時的に「腹圧性尿失禁」を経験します。これは子宮や膀胱などを支えている骨盤底の筋肉が、妊娠や分娩によって引き伸ばされ、傷つくからです。若い人は比較的早く回復します。けれど、分娩回数がふえるにつれて完全には治らず、少しだけ尿もれが残ってしまうことがあります。
また、いったん治った人でも、閉経前後や肥満とともに、再び尿もれがおきたりします。始めはくしゃみや咳込んだ時だけ尿がもれていたのが、数年たつうちに、重い物を持ち上げようとした時や走った時、椅子から立ち上がろうとした瞬間などにも尿がもれるようになったりします。
また、日常生活では全く支障がないけれど、テニスやゴルフで下腹にぐっと力を入れた瞬間だけもれてしまうという方もいると思います。
「尿失禁」がおきる原因「腹圧性尿失禁」は、次のようにして起こります。
膀胱や子宮を支える骨盤底の筋肉がゆるむ |
正常な場合
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膀胱・尿道の位置が骨盤内にしっかり固定されず、下がってしまう |
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腹圧がかかっても尿道に圧力がうまく伝わらず、尿道が十分に閉じない |
腹圧性尿失禁の場合
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↓
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尿がもれる |
少し理解しにくいかもしれないので、右上の図を参照して下さいね。
骨盤底の筋肉がゆるむ要素
では、「腹圧性尿失禁」が起こるもととなる骨盤底の筋肉のゆるみは、どうして起こるのでしょうか。
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1.妊娠・分娩 骨盤底筋の損傷
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2.肥満
骨盤内臓器が支えきれなくなる
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3.更年期
女性ホルモンの低下
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4.加齢 筋肉の弱まり
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など様々な要素が関係しています。
妊娠・出産後から始まった「腹圧性尿失禁」なら、まずは体操(後述)により、傷ついた筋肉をトレーニングして回復させるとよいでしょう。
(イラスト:乙部成未)