どうして検査が必要なの?
「尿失禁」でお困りになったら、おもに泌尿器科を受診してください。婦人科でも取り扱っている病院はありますが、日本では泌尿器科が中心となっています。 さて、「尿失禁」には「腹圧性尿失禁」以外に、尿意を感じてから我慢できる時間が短くトイレに間に合わずにもらしてしまう「切迫性尿失禁」、骨盤内の大きな手術後に膀胱の容量をこえた尿があふれ出す「溢流性尿失禁」などがあります。それぞれの「尿失禁」は全く治療法が異なるため、まず問診をします。そして、その後の治療法を選択するため、検査がどうしても必要なのです。


こんな検査をします

1)パッドテスト
パッドをあてて約1時間の決められた運動をし、その後パッドの重さを量る。これでもれた尿量を測定。5g以下が軽症。20g以上は重症。あまり緊張せず、リラックスした状態で行って下さいね。
自分でできるパッドテストはこちら!


2)くさり膀胱尿道造影
おしっこの出口から細いカテーテルを入れ、これより造影剤を注入して膀胱と尿道をレントゲン撮影。後部尿道膀胱角は、90〜100度が正常。この角度が広がっているほど、尿がもれやすい。150度以上なら重症。


3)ウロダイナミックスタディー
おもに「切迫性尿失禁」や「溢流性尿失禁」と区別するために行われる。おしっこの出口から細いカテーテルを入れて膀胱や尿道の内圧を測定し、異常な膀胱収縮が起きていないかをチェック。
 

尿失禁重症度の目安

軽度---
走る、なわとび、激しい運動
中等度---
くしゃみ、咳、重いものを持ち上げる
高度---
歩行、椅子から立ち上がる

重度になると日常生活にも支障をきたすでしょう。受診は日常生活上、困ったと感じた時が、受診時です。軽度だって、人によっては大問題です。なるべく早めの受診を!軽度なら、骨盤底筋体操で治る人がほとんどですよ。



不安な気持ちで病院に行くよりも
泌尿器科を受診するだけでも恥ずかしいのに、検査を受けるなんてもっといやだと思われる方も多いでしょう。でも放っておいたのでは治るものも治りません。何をされるかわからずに不安な気持ちで病院に行くより、気持ちの準備ができていたほうがいいですよね。ですからあえて泌尿器科で受けるであろう検査を御紹介しました。まず勇気をもって受診してください。

(イラスト:乙部成未)
 


こんな検査をします