尿もれQ&A

ごく一部ですが、よく質問いただく内容をご紹介します。

くしゃみをした時、ちょっとだけ尿がもれるのですが、これが尿もれでしょうか?

どれくらいの頻度で尿がもれるかにもよりますが、腹圧性尿失禁である可能性は高いです。最初はくしゃみやおなかに力が入った時に起こり、やがて階段の昇り降りや小走り、ついには歩くだけでも尿がもれるようになってしまう場合もあります。放っておかず、早めに対処しましょう。

産後に一時的に尿もれになったことがあります。年をとると尿もれになりやすいと聞き、一生懸命、腹筋をして筋肉を鍛えていますが、これで大丈夫でしょうか?

産後尿もれを起こした方は、治っていても年をとって骨盤底筋が弱ってくるとまた、尿もれを起こす場合があります。その意味では、気を付けていらっしゃるのは、とてもいいことだと思います。

しかし腹筋を鍛えても骨盤底筋群は鍛えられません。
腹筋は、膣や肛門を閉める運動ではなく、力を入れて力むような運動になり、骨盤底に負担をかけてしまう可能性が高く、逆効果になりますので、骨盤底筋訓練をおすすめします。

咳やくしゃみをした時に、時どき尿がもれます。かかりつけのお医者さまに相談したら、「年だから気にすることはない」と言われてしまいました。もう、どうしようもないのでしょうか?

「年だから仕方がない」ということはありません。
尿もれは治療できる病気です。残念なことに、まだ尿もれについて正しく理解していない医師もいるようです。専門医にかかることをおすすめします。

骨盤底筋訓練をテレビで見て覚えましたが、毎日続きません。まとめて効果のある体操はありませんか?

残念ながら、まとめてやって効果のある体操はありません。骨盤底筋訓練は、骨盤底筋群の筋肉を鍛える体操です。骨盤底筋群の筋肉をすぐに強くすることはできません。地道な毎日の努力が必要です。テレビを見ながら、本を読みながらなど、自分で気楽にできる方法を工夫して、長続きできるよう頑張ってみてください。

なんとなく泌尿器科は男性がかかる診療科というイメージがあります。女性がかかってもいいのでしょうか?

もちろんです。
前立腺肥大症などのイメージがあるせいか、泌尿器科は敷居が高いとおっしゃる女性の患者さんが多いのはとても残念です。膀胱炎をはじめ、泌尿器科は女性にとても大切な科です。

尿もれの治療には「排尿機能」の専門家である泌尿器科が一番です。気軽に受診してください。

子どもを4人産んでいます。たくさん産んでいる人の方が、尿もれになりやすいと聞いたのですが、本当ですか?

そうですね。
出産をするということは、妊娠で重たい体を支えて引き伸ばされた骨盤底筋群が、出産でさらに傷つくということです。それを繰り返すと、骨盤底筋群が出産のたびにいたむうえに、自然にもとにもどってまた引き伸ばされてしまい、腹圧性尿失禁のもとになることは十分考えられます。
今現在、尿もれがなくても、予防的に骨盤底筋訓練をはじめておくとよいかもしれません。

便秘は尿もれによくないと聞きましたが本当でしょうか?

女性に多い便秘ですが、確かに腹圧性尿失禁にはよくありません。便秘になるとどうしても、毎日毎日少しずつ力むような形で、骨盤底筋に負担をかけることになります。
膀胱瘤をはじめとする骨盤臓器脱の原因にもなりますので、食事内容を気をつけたり、体を動かすようにしたりして便秘にならないようにしましょう。

TVT手術は局所麻酔で行うということですが、全身麻酔ですることはできないでしょうか?

TVT手術の原法では、局所麻酔で行うことになっています。
というのもTVTテープの位置の調整を行う必要があるため、手術の途中で患者さんに咳をしていただき、もれの具合を確かめならが手術を行うからです。しかし最近では、テープの位置調整に必ずしも咳をしていただかなくなりましたので、ご希望があれば腰椎麻酔や全身麻酔で行うことも可能です。
ただ、当院では局所麻酔で行うことをおすすめしています。

TVT手術後、やせたらどうなるのでしょうか? テープの位置が合わなくなるということはないのでしょうか。逆にすごく太った場合はどうでしょうか?

少しくらいやせたり、太ったりしても、基本的には関係がありません。
TVT手術は比較的新しい手術のため、ものすごくやせてしまったり、太ってしまったり場合について、正直まだよくわからないというのが実状です。

急性膀胱炎を繰り返すと、間質性膀胱炎になるのでしょうか。

間質性膀胱炎は、急性膀胱炎をこじらせたものではなく、まったく違う病気だと考えられています。けれども、間質性膀胱炎の患者さんの中には、急性膀胱炎がきかっけになって発症したり、急性膀胱炎を繰り返していたひとが少なくありません。

間質性膀胱炎の手術があると聞きました。成功すれば完全に治りますか?

泌尿器科を受診して診察と検査を受け、間質性膀胱炎だと診断されれば手術(膀胱水圧拡張術)という治療の選択肢があります。治療の結果、膀胱容量が拡大しても、半年前後で再び小さくなってしまうことも少なくありません。ハンナ病変のあるタイプのハンナ型間質性膀胱炎では、ハンナ病変を同時に凝固することで効果が高まります。

採尿日記をつけてみたいのですが、採尿するコップはどこで買えますか?

尿の量を測る計量カップは、一般には売られていませんが、特別なものでなくても一般に市販されている料理で使う計量カップを利用すればよいでしょう。

また、わざわさ購入しなくても、捨ててもいい瓶やコップなどに計量カップで水を50ミリリットルずついれ、マジックなどで線を引けば「マイ尿カップ」を作ることもできます。

健康のため、黒酢を飲んでいます。最近、頻尿に加えておなかが痛くなる症状が現れました。

頻尿や痛みは黒酢が原因かもしれません。
その症状だけでは間質性膀胱炎かどうかはわかりませんが、一般的に体に良いとされる黒酢も、間質性膀胱炎の患者さんにとっては、症状を悪化させる筆頭にあげられる食品です。

もし間質性膀胱炎とすでに診断されている場合、尿中に含まれた飲食物の成分が膀胱の壁にしみて症状を起こしますので、すぐにやめましょう。

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