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過活動膀胱(overactive bladder; OAB)

過活動膀胱(overactive bladder:OAB)とは尿意切迫感を有し、通常は頻尿および夜間頻尿を伴い、切迫性尿失禁を伴うこともあれば伴わないこともある状態と定義される自覚症状に基づく症候群です。

過活動膀胱は次のような症状や特徴があります。

原因

脳血管障害の後遺症などによる神経因性OAB

下部尿路閉塞(男性では前立腺肥大症、女性では骨盤臓器脱など)骨盤底の脆弱、加齢、特発性といった非神経因性OABがあり、後者が80%です。

日本排尿機能学会が2002年に行った排尿に関する疫学調査によれば、40歳以上の12.4%が罹患(りかん)しているとされ、加齢とともに増加しました。
この結果を2012年の人口構成で計算すると高齢人口の増加に伴い、14.1%の罹患率となります。

治療

行動療法

膀胱訓練、骨盤底筋訓練、水分コントロールなどの行動療法は基本中の基本です。

薬物療法

薬物療法の第一選択は、抗コリン薬で、プロピベリン塩酸塩(バップフォー®)ソリフェナシン(ベシケア®)、トルテロジン(デトルシトール®)、イミダフェナシン(ウリトス®、ステーブラ®)、フェソテロジン(トビエース®)など
近年発売されたものは膀胱選択性が高く、口内乾燥、便秘などの副作用が少ないとされています。

これらの経口抗コリン薬で副作用が強い場合は、経皮吸収型製剤のオキシブチニン塩酸塩(ネオキシテープ®)があります。皮フから吸収されるため、吸収速度がマイルドで副作用が比較的少ないとされています。1日1回お風呂上りなどに貼り換えます。

しかし抗コリン薬では、口内乾燥や便秘などの副作用のため抗コリン薬が飲むことができない、閉塞隅角緑内障などで抗コリン薬投与が禁忌、抗コリン薬で排尿がしづらくなったり残尿量がふえてしまうなどの閉経後女性にはβ3アドレナリン受容体刺激薬であるミラベグロン(ベタニス®)がしばしば有効です。時に血圧の上昇がみられるので、投与中は定期的な血圧測定が勧められます。

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